カルファインダー

1.カルファインダーとは

カルファインダーは非晶質の石灰石を粉砕、微粉化したコンクリート混和材です。
主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)であり、化学的に安定しています。
セメント系建材、コンクリートの混和材に特化した粒子形状、粒度分布を研究し商品開発しました。

2. 特長

(1) 流動性の向上

① 独特の粒子形状により、コンクリート材料の粒子間摩擦が減少します。

② 独特の粒度分布を有していますので、セメント及び細骨材の粒子空隙の充填率が向上します。

③ 粒子形状、粒度分布の加工調整により、減水剤等の添加量を抑え、コンクリートの粘性を抑えながら所要の流動性設計を容易にします。

フロー試験

V漏斗の試験

(2) 材料分離抵抗の向上

粉体系高流動コンクリートでは粉体材料の配合割合を大きくすることで骨材の材料分離を抑制しますが、その粘性と流動性を高い領域でバランス保持し、高度な充填性をえる配合設計ができます。

(3) ブリーディングの抑制

① セメントと同等以上の粉末度を有していますので、ブリーディング水の移動経路が長くなります。

② セメントより比重が小さいため、セメントに比べ沈降が遅くなります。

以上の効果でブリーディングが抑制されます。

(4) 水和発熱の抑制

化学的に安定した炭酸カルシウム(CaCO3)が主成分ですので、カルファインダーは水和熱を発しません。
セメント等に置換配合することで、水和発熱を抑制することができます。

(5) 強度増進

① セメント粒子の分散、水和反応促進の効果があり、特に初期強度を増進します。

② 硬化コンクリート緻密性が向上され、同一の水セメント比のそれに比べ長期強度は増進傾向にあります。しかし、非水硬性混和材ですので結合材には含みません。

3. カルファインダーの品質

 項 目 JCI品質規格(案) カルファインダー
CF80 CF90 CF300
比表面積 (cm2/g) ≧ 2500 4000 5000 8000
圧縮強度比(%) 7日 ≧ 100 ≧ 100 ≧ 100 ≧ 100
28日 ≧ 100 ≧ 100 ≧ 100 ≧ 100
成 分(%) CaCO3 ≧ 90 ≧ 90 ≧ 95 ≧ 95
MgO ≦ 5 ≦ 5 ≦ 5 ≦ 5
SO3 ≦ 0.5 ≦ 0.5 ≦ 0.5 ≦ 0.5
Al2O3 ≦ 1.0 ≦ 1.0 ≦ 1.0 ≦ 1.0
湿 分 (%) ≦ 1.0 ≦ 1.0 ≦ 1.0 ≦ 1.0
メチレンブルー吸着量(mg/g) ≦ 1.0 ≦ 1.0 ≦ 1.0 ≦ 1.0
全アルカリ量(%) ≦ 0.02 ≦ 0.02 ≦ 0.02
塩化物イオン量(%) ≦ 0.02 ≦ 0.02 ≦ 0.02
密 度 (g/cm3) ≧ 2.6 ≧ 2.6 ≧ 2.6

※各製品の品質詳細は、毎月発行の『コンクリート混和材石灰石微粉末分析試験報告書』にてご確認ください。

4.主な用途と効果

(1)高流動コンクリート

① 主に材料分離の抑制を目的として粉体系混和材として使用します。

② 材料分離することなく高い流動性を求めることで、型枠内の充填性を高めることができます。

③ その他多種の混和材(剤)に比較して、粘性と流動性のバランスを高い領域(低い粘性&高い流動性)で得ることができます。(高性能減水剤の添加量を抑え、且つ粉体量増大による強粘性の過剰を抑えます。)

④ コンクリート表面美観にも高い品質が求められ、安定した品質で連続的に打設するプレキャストコンクリートにも有効です。

カルファインダー配合コンクリートスランプロー試験

写真1.カルファインダー90配合
高流動コンクリートスランプフロー試験

コンクリート製品

写真2.カルファインダー90配合
高流動コンクリート打設製品

カルファインダー90配合のプレキャストコンクリート製品

写真3.カルファインダー90配合
高流動コンクリート打設製品

カルファインダー90配合のプレキャストコンクリート製品

写真4.カルファインダー90配合
高流動コンクリート打設製品

 

(2)コンクリート性状の改善(低セメント配合のコンクリート)

① 細骨材の微粒分が少ないとき、あるいは砕砂を使用する際に粉体を増量する配合でブリーディングの抑制や流動性、粘性を改善する効果があり、コンクリート打設面の美観向上へも期待ができます。

② 低セメント配合において、粉体量の確保を目的としてセメントの外割りで配合することでポンプ閉塞の抑制効果があり、工事現場の作業性向上が期待できます。

(3)吹付けコンクリートのはね返り、粉塵の低減

吹付けコンクリートでは、粉体材料として増量配合することで粘性を高め、施工時のはね返り量や粉塵量を低減する効果があり、工事現場の作業性向上が期待できます。

参考

カルファインダー配合による各試験項目の傾向

結合材に対する置換 骨材に対する置換
スランプフロー 増 加 増 加
フロー速度 増 加 減 少
流下速度 増 加 減 少
充填高さ 増 加
粘性 減 少 増 加