ミラクレー®
ミラクレー®とは、セピオライトを原料とした当社製品の登録商標です。当社では、トルコ産、米国産の2カ国の産地のものを扱っており、それぞれ特徴が異なり適する用途も異なります。
1.ミラクレー®とは
ミラクレー®とは、天然に産出する粘土鉱物
「鉱物名:セピオライト」を加工した高機能商品です。
鉱物組成・・・含水マグネシウム珪酸塩
化学式 ・・・・Mg8Si12O30(OH)4(OH2)4・8H2O
結晶構造 ・・・結晶構造は、互いに積み重ねたチャンネル構造になっており、多孔質で比表面積が大きい天然鉱産物です。
項 目 | トルコ産 | 米国産 |
---|---|---|
SiO2(%) | 57.0 | 50.8 |
Al2O3(%) | 1.0 | 1.8 |
Fe2O3(%) | 0.5 | 1.8 |
CaO(%) | 3.0 | 10.0 |
MgO(%) | 23.0 | 16.8 |
IG.loss(%) | 14.5 | 17.5 |
水分(%) | 15.5 | 9.4 |
※上記の値は代表性状です。
2.ミラクレー®の特性
ミラクレー®には吸着性・揺変性・可塑性の3大特性があります。
① 吸着性
多孔質で比表面積が大きく、吸着特性に優れており
脱臭、調湿等の吸着性を利用する分野に使用されています。
焼成すると多孔質セラミックとしての用途開発が期待されます。
② 揺変性
せん断力が大きいと低粘度になり、小さいと高粘度を示します。
水や樹脂の中で強力に攪拌させると増粘効果を示します。
塗料のタレ防止等に使用されます。
③ 可塑性
粘土としての可塑性を有しており、成形性、保形成の向上のため、無機バインダーとして利用されます。
3.ミラクレー®の商品
高機能材料 ~高機能を可能にする商品~
主 要 商 品 | 用 途 ・ 特 長 |
---|---|
Pシリーズ (トルコ産) (米国産) |
建材・塗料 無機バインダーとして保形性・表面平滑性・揺変性を向上 土木 シールド工法の加泥材、下連壁工法の安定液、ボーリング泥水の揺変性向 化成肥料 造粒バインダーとして収率(生産性)向上 鋳物塗型材 タレ防止、塗型強度向上、鋳造品の表面平滑性向上 吸着剤(乾燥剤 等) 吸着容量が大きく湿気、臭い等の吸着性向上 |
環境機能商品 ~快適環境を提案できる商品~
主 要 商 品 | 用 途 ・ 特 長 |
---|---|
脱 臭 剤 | 酸性ガス用 硫化水素などの酸性ガス全般の吸着除去が可能 塩基性ガス用 アンモニア、トリメチルアミンの吸着除去が可能 その他 ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、VOCなどの吸着除去 |
触媒キャリア | 金属触媒用担体 表面積が大きいので金属触媒効果を高める事が可能 |
乾燥・調湿剤 | 湿気に対し吸放出性があり、湿度コントロールが可能 |
そ の 他 | バイオキャリア 微生物キャリアとして有効 水質浄化(ろ過剤) タンパク質、亜硝酸性窒素等の吸着 除放性キャリア 芳香剤等の臭いを定量的に除放が可能 |
環境機能商品 使用一例
トルコ産セピオライト
1.特 徴
セピオライトには、吸着性・揺変性・固結性の三大特性がありますが
トルコ産セピオライトは、
① 高純度であるため比表面積が大きく、吸着特性に優れており特に吸着性を利用する分野に使用されております。
② 焼成すると多孔質セラミックとしての用途開発が期待されます。
2.用途例
分類 | 内 容 | 特性 |
---|---|---|
(1) 触媒 | 押出し成形・プレス成形・転動造粒等でハニカム他各種成形が可能な触媒担体として使用されています。又、他材との複合成形も可能です。 | 揺変性 固結性 |
(2) 酵素担体 | 特殊サイズに粉砕し酵素の固定化担体として使用されています。 | 吸着性 |
(3) 鋳物 | 塗型材の添加剤として使用すると、タレ防止・塗膜強度の向上と共に鋳造品の表面平滑性が向上します。 | 揺変性 固結性 |
(4) 乾燥材 | 比表面積が大きいため湿気の吸着容量が大で各種乾燥材として使用されております。 | 吸着性 |
(5) 機能紙 | 繊維状であるため抄造加工が容易で、吸湿紙・脱臭紙等の機能紙の開発が可能です。 | 吸着性 固結性 |
(6) その他 | 多孔質セラミックの成形バインダー・不定型耐火物のタレ防止に効果があります。 | 揺変性 |
3.化学成分
商品名 | 成分(%) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
SiO2 | Al2O3 | Fe2O3 | CaO | MgO | Ig.loss | |
P-150 | 53.4 | 1.7 | 2.1 | 4.15 | 22.3 | 16.3 |
P-300 | 55.9 | 1.8 | 1.0 | 1.5 | 23.5 | 12.7 |
※上記の値は代表性状です。
4.物理特性
商品名 | 水分 (%) |
粒度(%) | 比表面積 (m2/g) |
真比重 | カサ比重 (g/ml) |
外観色 | 白色度 (W値) |
pH | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
+300 μm |
-75 μm |
||||||||
P-150 | 8.8 | 0 | 94.5 | 277 | 2.3 | 0.26 | 茶色 | 55 | 9.0 |
P-300 | 13.6 | 0 | 99.9 | 300 | 2.3 | 0.20 | 茶色 | 63 | 9.0 |
※上記の値は代表性状です。
特性-Ⅰ
- 溶媒中で機械的に攪拌することにより容易に分散されます。
- 溶媒中に分散された繊維は、粘性を増し顕著な揺変性を示します。
- 電解質中でもその機能は殆ど影響を受けません。
特性-Ⅱ
- 溶媒中で繊維が良く分散されると優れた懸濁性を示します。
- 懸濁助剤として使用しますと良好な懸濁状態を維持します。
- 比重の大きなものが沈降して沈殿物を形成してもハードケーキを作りません。
特性-Ⅲ
- 水を吸着、脱離する特性があり調湿機能を持っています。
- 親水性が強く容易に水を吸着します。
- 悪臭ガス(特に窒素系臭気)を吸着します。
アメリカ産セピオライト
1.特長
セピオライトには、吸着性・揺変性・固結性の三大特性がありますが 、 米国産セピオライトは
① 結晶性が弱いために溶媒中で分散し易い性質があり、しかも電解質の影響を受けないので揺変性を利用する分野に使用されています。
② 比較的安価での供給が可能です。
2.用途例
分類 | 内 容 | 特性 |
---|---|---|
(1) 建材 | 成形時のバインダー・滑材及び保形材として効果があり、更に製品の表面平滑性を向上します。 | 揺変性 固結性 |
(2) 化成肥料 | 造粒バインダーとして使用すると収率が大幅に向上し、コストダウンに寄与します。 セピオライトを含有している化成肥料は粒同士が固結し難くなります。 |
固結性 吸着性 |
(3) 土木 | 特に海水を使用する場合、或いは海水が浸水する恐れがある場合のボーリング泥水・地下連壁工法の安定液・シールド工法の加泥材及び地熱開発用ボーリング泥水に使用して効果があります。 | 揺変性 |
(4) 鋳物 | 塗料材の添加剤として使用すると、タレ防止・塗膜強度の向上と共に鋳物品の表面平滑性が向上します。 | 揺変性 固結性 |
(5) 壁材 | 左官材料に添加すると、滑材として作業性の向上に寄与します。 | 揺変性 |
(6) セメントミルク | モルタル・セメントミルク等に添加すると、流動性と固液分離性が改善されます。 | 揺変性 |
(7) その他 | 水系塗料・セメント系接着剤・不定形耐火物・釉薬等のタレ防止・流動性と固液分離性の改善及び沈降物のハードケーキング防止に効果があります。 | 揺変性 |
3.化学成分
商品名 | 成分(%) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
SiO2 | Al2O3 | Fe2O3 | CaO | MgO | Ig.loss | |
P-80V | 53.4 | 2.3 | 0.7 | 7.2 | 18.4 | 17.5 |
P-200V | 53.8 | 2.7 | 1.3 | 8.3 | 17.0 | 15.9 |
P-200VV | 54.5 | 2.2 | 1.7 | 9.5 | 15.5 | 16.0 |
※上記の値は代表性状です。
4.物理特性
商品名 | 水分(%) | 粒度(%) | 比表面積 (m2/g) |
真比重 | カサ比重 (g/ml) |
外観色 | 白色度 (W値) |
pH | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
+300 μm |
-75 μm |
||||||||
P-80Ⅴ | 13.2 | 0 | 56.4 | 233 | 2.3 | 0.76 | 淡黄色 | 75 | 9.0 |
P-200Ⅴ | 12.8 | 0 | 99.9 | 219 | 2.3 | 0.49 | 淡黄色 | 79 | 9.0 |
P-200VV | 10 | 0 | 93.3 | 221 | 2.3 | 0.70 | 淡黄色 | 78 | 9.0 |
※上記の値は代表性状です。
特性-Ⅰ
- 溶媒中で機械的に攪拌することにより容易に分散されます。
- 溶媒中に分散された繊維は、粘性を増し顕著な揺変性を示します。
- 電解質中でもその機能は殆ど影響を受けません。
特性-Ⅱ
- 溶媒中で繊維が良く分散されると優れた懸濁性を示します。
- 懸濁助剤として使用しますと良好な懸濁状態を維持します。
- 比重の大きなものが沈降して沈殿物を形成してもハードケーキを作りません。